今日は、日本においてドナルドトランプ氏が正式にアメリカ大統領に就任してから最初の平日となります。そのため、市場がこれからどちらの方向に向くのか、今日の為替相場を注視していました。

まだ記憶に新しいところとして、アメリカ大統領選挙の開票日にはドル円の為替相場が乱高下しました。前日までヒラリークリントン氏が優勢と伝えられていて、そのままいくと円安に振れていくという話がありつつも、ドナルドトランプ氏が優勢になってくると、105円くらいから一気に101円前後まで円高になり、さらにまた105円まで戻るというとんでもないジェットコースターでした。

そもそもでいうと、ヒラリークリントン氏が勝てばアメリカの経済は上向いていることや利上げが行なわれること、安定感のある政権運営がなされるなどから、緩やかな円安になると予想されていました。逆に、ドナルドトランプ氏が当選すると、それまでの過激な発言から不安定感が増し、相対的に安心感のある円が買われて円高になると言われていました。しかしながら、一瞬その様相を呈したものの、結局のところは大統領選が決着してドナルドトランプ氏がアメリカ大統領になると決定して以降も、ドル高円安の流れは変わりませんでした。

結局のところ、ドナルドトランプ氏が巨額の公共投資だったり、メキシコ国境に壁を作るとか、特定の企業や国に高率の関税をかけるなどは現実性がなく、ある程度は既定路線で進むのであろうということと、やはりFRBが利上げを決めていて、日本はマイナス金利政策が続くという意味においてはドル高円安の流れは止まらないということなのだと思います。

とはいえ、ドナルドトランプ氏の支持層はアメリカの労働者層であり、輸出によって利益を増やし雇用を増やすことができるため、あまりにもドル高であると支持を失う可能性もあるということから、アメリカ大統領就任の演説やその後の市場の反応は気になっていました。

当社のメインビジネスは海外から物品を輸入して、その代金をドルで決済しています。国内で販売したその物品は円で支払いを受けます。この仕組み上、ドル高円安の場合には不利になります。たとえば、アメリカ大統領選挙までは105円で仕入をしていたものが、今日の為替レートでは113円で仕入れることになりますので、7%もの仕入れ価格の上昇になったといえます。

今日、大統領就任直後の為替相場でほんの少しだけ円高に振れつつも、大きく相場が動かなかったことから、今後は緩やかに円安に流れていくものと考えています。

では、我々はこのドル高円安の流れを甘んじて受け、利益の目減りを指を咥えて見ているだけなのでしょうか。

今日、私はこれから一定額を毎月1ドル＝97円台で購入する権利を契約しました。詳しくは個別契約なので書きませんが、これからの為替相場の流れによっては「リスク」と呼ばれるものがありますが、当社にとってはリスクとはならないと考えています。この取引は以前より準備を進めていて、今日、ドナルドトランプ氏がアメリカ大統領就任後の最初の為替市場がどうなるかを見極めて決断するつもりでした。そして、私としてはこれ以上大幅な円高はない、との見立てです。

世界中に数多くのアナリストや経済学者がいて、いろいろな論を交わしていますが、為替相場というのは誰であろうと確実に予測できる人はいません。私の予測も確固たる根拠があるわけではありません。ただ、それでも何かしらアクションしなければ生き残っていけないので、あらゆる手段を講じてこの流れに抗うのです。